【田舎暮らしのリアル6】片道40分の灯油ラリーと火事寸前の火鉢…都会育ちが絶望した「古民家の冬」の過酷な現実

憧れの古民家暮らしとSNSの現実

YouTubeやInstagramを開けば、流れてくるのはお洒落で丁寧な「田舎の古民家暮らし」。

そればかり熱心に追いかけていたせいで、私のスマホのアルゴリズムはすっかり古民家一色に染まっていました。

画面の向こうの美しい映像を見つめては、「あぁ、穏やかでいいなぁ……」とため息をつく日々。

まさに「恋は盲目」です。

当時の私には、田舎暮らしや古民家の悪いところなんて1ミリも見えていませんでした。

いや、正確には「見ようとしなかった」のです。せっかく膨らんだ夢が壊れるのが怖かったから。

ん〜、でも今になって冷静に振り返ってみれば、SNSで古民家暮らしを発信しているのって若い子が多いですよね。

そして、いつの間にか更新が途絶え、知らぬ間に古民家を去っている人もいたような……。

その理由を、私は移住してから身をもって知ることになります。

我が家のヘンテコな生活スタイルと「母屋で寝られない理由」

いよいよ始まった、私たちの移住生活。

現在の我が家の生活スタイルは、ちょっと特殊です。

昼間は「母屋(おもや)」で食事をし、テレビを見てくつろぎます。

しかし、お風呂やトイレはわざわざ外に出て「離れ」へ移動。

さらに夜寝るときは、わざわざ「プレハブ住宅の2階」へと大移動するのです。

「なぜ、わざわざそんな面倒なことを? 普通に母屋で寝ればいいじゃん」

そう思うでしょう?

それこそが、古民家が抱える最大の、探して最凶の問題点なのです。

今の日本の住宅にある「高気密・高断熱」という概念、古民家には一切存在しません。

一言で言うなら、【家じゅう隙間だらけ】です

窓をこれでもかとキッチリ閉め切っていても、外で強風が吹けば、なぜか部屋の中にもびゅうびゅうと風が吹き込んできます(笑)。

母屋で寝ようものなら、冬場は凍死の危険すら感じるレベルの極寒地獄

だからこそ、我が家は寝床を比較的マシなプレハブ住宅へ避難させているのです。

移住前、私は「古民家って、夏は涼しくて冬は暖かい、先人の知恵が詰まった最高の建物なんだろうな」と勝手に妄想していましたが、完全なる大勘違いでした。

アトラクション並みに揺れる我が家の古民家スペック

ここで、我が家の古民家の恐ろしいスペックを簡単にご説明しましょう。

【我が家の古民家スペック】
* 基礎がない:柱がただの石の上にポツンと乗っているだけ。
* 耐震性能は実質ゼロ:台風や強風が吹くだけで、家全体がミシミシとアトラクション並みに揺れる。(※地震の時は瓦の重みで家を無理やり押さえつける恐ろしいシステム)
* 壁は伝統の土壁:梅雨時など、湿気がたまると何とも言えない独特な臭いを発する。
* 断熱性能ゼロ:外気温と室温がほぼ完全にシンクロします。
* 窓はレトロな木枠:ゴムパッキンなんてないため、風が吹くとガタガタと大合唱。
* 床下の地面が見える:廊下の床板の「節(ふし)」が抜けていて、普通に地面とご対面。
* 家全体が歪んでいる:壁と柱の間に普通に指が入るレベルの隙間がある。

……とまあ、説明し出したらキリがありません。

「縁側に座ってのんびり、庭を見ながらスイカを食べる」なんて、都会の人が思い描く最高の憧れですよね。

我が家でそんなことをやらかしたら、一瞬で家じゅうが虫たちに占拠されます

網戸すら木枠のせいで隙間だらけなので、夏場は網戸の周囲をすべてテープで目張りするという、お洒落とは程遠いサバイバル生活を送っています(虫の多さについては、また恐ろしい別記事で書きますね)。

冬の金食い虫!驚愕の片道40分「灯油買い出しラリー」

そんな我が家のお風呂の給湯器は「灯油式」です。

さらに、冬場は各部屋に「灯油ファンヒーター」が絶対に欠かせません。

ですが、前述の通り「家じゅうが隙間風の通り道」なもんで、いくらヒーターをガンガンに付けても設定温度に一向に届かないのです。

そのため、ファンヒーターは常にフルパワーで狂ったように稼働し続けています。

当然、消費する灯油の量も尋常ではありません。

灯油を補充するため、地域で一番安いガソリンスタンドまで、軽トラックの荷台にポリタンクを大量に積んで、片道40分かけて買いに行きます。

もはやちょっとしたドライブです。

しかも、一回の買い出しで支払う金額は、なんと約18,000円!!!

これを冬の1シーズンだけで、3〜4回は往復することになります。

ガソリン代だけでなく、この灯油代の出費は本当に想定外の痛手でした。

ちなみに、移住初年度の冬は、私もまだ「憧れの古民家ライフ」の余韻に浸っていたため、雰囲気作りのためにわざわざ「火鉢(ひばち)」を用意して暖を取ったりしていました。

確かに、静寂の中でパチパチと炭が燃える様子は最高に風情があって良かったんです。

良かったんですが……

炭がパチーンと大爆ぜして、畳が何箇所も焦げました(泣)。

このままでは風情を楽しむ前に、この歴史ある古民家を丸ごと燃やしてリアルな火事を起こしそうだったので、命の危険を感じてわずか1シーズンで火鉢は封印しました。

やっぱり現代のファンヒーターが一番安全で強いです。

結論:古民家リノベに大金をかけるなら新築を建てろ!

そういえば、YouTubeでお洒落な古民家暮らしをしている人たちって、みんな何百万円、何千万円もかけて「全面フルリノベーション」していましたよね。

あの理由が、今なら痛いほどよく分かります。そのままじゃ住めたもんじゃないんです。

でも、私(エス)個人の本音を言わせてもらうなら、

「この歪んだ家にそれだけの大金をかけるくらいなら、一度壊して新築に建て替えるなぁ」です(笑)。

結論として、古民家をわざわざ大金かけて改修するくらいなら、最初から新築の「高気密・高断熱住宅」を建てた方が、絶対に幸せになれます。

インフラの不便さや、冬の極寒すら「これも人生のスパイス、楽しい!」と思える超人的なマインドを持った人ならいいですが……まあ、人の好き好きですね。

都会の綺麗なお家でぬくぬく暮らしている皆さん、古民家の夢を見る時はくれぐれも「隙間風と灯油代」のリアルをお忘れなく!

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