SNSでよく見かける、お洒落で洗練された「古民家暮らし」。
「あんな趣のある素敵なお家で、ゆったりと過ごせたら最高だろうな……」なんて憧れちゃいますよね?
でも、実際に暮らしてみると現実は大違い!
今回は、50代で都会から田舎へと移住した私(エス)が、甘い妄想を完膚なきまでに打ち砕かれた「古い家で暮らす現実」について包み隠さずお話ししていきますよ!
憧れの古民家暮らしとSNSの現実
YouTubeやInstagramを開けば、流れてくるのはお洒落で丁寧な「田舎の古民家暮らし」。
そればかり熱心に追いかけていたせいで、私のスマホのアルゴリズムはすっかり古民家一色に染まっていました。
画面の向こうの美しい映像を見つめては、「あぁ、穏やかでいいなぁ……」とため息をつく日々。
まさに「恋は盲目」です。
当時の私には、田舎暮らしや古民家の悪いところなんて1ミリも見えていませんでした。
いや、正確には「見ようとしなかった」のです。せっかく膨らんだ夢が壊れるのが怖かったから。
ん〜、でも今になって冷静に振り返ってみれば、SNSで古民家暮らしを発信しているのって若い人も多いですよね。
そして、いつの間にか更新が途絶えて、「あれ?あの古民家暮らし、どうなったんだろう?」と思うアカウントもありました。
もちろん事情は人それぞれでしょうが、古い家で暮らす大変さの一端を、私は移住してから身をもって知ることになります。

我が家のヘンテコな生活スタイルと「母屋で寝られない理由」
いよいよ始まった、私たちの移住生活。
現在の我が家の生活スタイルは、ちょっと特殊です。
昼間は「母屋(おもや)」で食事をし、テレビを見てくつろぎます。
しかし、お風呂やトイレはわざわざ外に出て「離れ」へ移動。
さらに夜寝るときは、わざわざ「プレハブ住宅の2階」へと大移動するのです。
「なぜ、わざわざそんな面倒なことを? 普通に母屋で寝ればいいじゃん」
そう思うでしょう?
それこそが、我が家の古い母屋が抱える最大にして最凶の問題点なのです。
今どきの住宅でよく聞く「高気密・高断熱」。
少なくとも、我が家の母屋にはその言葉がまったく似合いません。
一言で言うなら、【家じゅう隙間だらけ】です。

窓をこれでもかとキッチリ閉め切っていても、外で強風が吹けば、なぜか部屋の中にもびゅうびゅうと風が吹き込んできます。
「窓、閉まってるよな?」
冬になると、本気で何度も確認します。
母屋で寝ようものなら、私には「ここで一晩寝るのは無理だろ……」と思えるほどの極寒地獄。
だからこそ、我が家は寝床を比較的マシなプレハブ住宅へ避難させているのです。
移住前、私は「古民家って、夏は涼しくて冬は暖かい、先人の知恵が詰まった最高の建物なんだろうな」と勝手に妄想していました。
少なくとも我が家に関しては、完全なる大勘違いでした。
アトラクション並みに揺れる我が家の古民家スペック
ここで、我が家の古い母屋の恐ろしいスペックを簡単にご説明しましょう。
【我が家の古民家スペック】
* 柱の足元が石の上:今の住宅で見るような基礎とはまったく違う昔ながらの造り。
* 強風で家がミシミシ:台風や風の強い日は、家全体から音がして落ち着かない。耐震性が実際にどの程度あるのかは、専門家に診断してもらわないと私には分かりません。
* 壁は昔ながらの土壁:湿気の多い時期には、我が家では独特な臭いを感じることがあります。
* 断熱性はかなり厳しい:冬になると外気温の影響をモロに受けている感覚があります。
* 窓はレトロな木枠:風が吹くとガタガタと大合唱。
* 床下の地面が見える:廊下の床板の「節(ふし)」が抜けていて、そこから普通に地面とご対面。
* 家全体に歪みを感じる:壁と柱の間に指が入るくらいの隙間まであります。
……とまあ、説明し出したらキリがありません。
「縁側に座ってのんびり、庭を見ながらスイカを食べる」なんて、都会の人が思い描く最高の憧れですよね。
我が家でそんなことをやらかしたら、一瞬で家じゅうが虫たちの侵入ルートになります。
網戸すら木枠のせいで隙間だらけなので、夏場は網戸の周囲をテープで目張りするという、お洒落とは程遠いサバイバル生活を送っています。
虫の多さについては、また恐ろしい別記事でたっぷり書きます。
冬の金食い虫!驚愕の片道40分「灯油買い出しラリー」
そんな我が家のお風呂の給湯器は「灯油式」です。
さらに、冬場は各部屋に「灯油ファンヒーター」が欠かせません。
ですが、前述の通り「家じゅうが隙間風の通り道」なもんで、いくらヒーターをガンガンにつけても設定温度になかなか届きません。
そのため、ファンヒーターはかなりの時間、全力で働き続けています。
当然、消費する灯油の量も尋常ではありません。
灯油を補充するため、地域で安いガソリンスタンドまで、軽トラックの荷台にポリタンクを積んで、片道40分かけて買いに行きます。
もはやちょっとしたドライブです。
しかも、一回の買い出しで支払う金額は、なんと約18,000円!!!
これを冬の1シーズンだけで、3〜4回は往復することになります。
ガソリン代だけでなく、この灯油代の出費は本当に想定外の痛手でした。
ちなみに、移住初年度の冬は、私もまだ「憧れの古民家ライフ」の余韻に浸っていたため、雰囲気作りのためにわざわざ「火鉢(ひばち)」を用意して暖を取ったりしていました。
確かに、静かな部屋で炭を眺めている時間は、これぞ田舎暮らしという雰囲気があって最高だったんです。
良かったんですが……。
炭がパチーンと大爆ぜして、畳が何箇所も焦げました。

あの瞬間、風情も何もありません。
「これ、畳じゃなくて家ごと燃えたら洒落にならんぞ……」
そう思い、火災や一酸化炭素中毒などの危険もあるため、我が家では火鉢を普段使いするのをやめました。
田舎情緒より安全第一。
結局、我が家では現代の暖房器具に頼るのが一番安心という結論になっています。
結論:我が家なら大金をかける前に建て替えも考える
そういえば、YouTubeでお洒落な古民家暮らしをしている人たちって、大規模なリノベーションをしているケースも多いですよね。
その理由が、今なら痛いほど分かります。
少なくとも我が家の場合、見た目の雰囲気だけで快適に暮らせるほど甘くありません。
でも、私(エス)個人の本音を言わせてもらうなら、
「この歪んだ家に何百万円、何千万円とかけるなら、一度壊して建て替える選択肢も本気で考えるなぁ」です。
もちろん、古い家には古い家にしかない魅力があります。
太い柱、昔ながらの建具、広い間取り。
「この家を残したい」と思う人が大金をかけて直す気持ちも、今なら分かります。
ただ、快適性や断熱性、維持管理のしやすさを最優先するなら、私ならリノベーション費用と建て替え費用を両方比べてから決めます。
インフラの不便さも、冬の寒さも、虫も、「これも人生のスパイス!」と楽しめる人なら古い家暮らしは最高なのかもしれません。
私はというと……。
もうちょっと隙間風だけは遠慮してほしい。
都会の暖かい家でぬくぬく暮らしながら古民家の夢を見ている皆さん。
夢を見るのはいい。
でも、その夢の片隅に「隙間風・虫・灯油代」の3文字……いや、もう少し多いですね。とにかく現実の部分も、少しだけ置いておいてください。
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【田舎暮らしのリアル⑤】年間15,000円の町内会費と「垂れ流し」の衝撃…都会育ちが絶句したインフラの現実
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