「田舎に移住したら、都会の忙しさから解放されて、毎日のんびり暮らせるはず!」
私(エス)も、移住前は本気でそう思っていました。ところが実際に暮らしてみると、地元の人たちは仕事だけでなく、田んぼや畑、町内会、家や土地の管理まで抱えて大忙し。
今回は、50歳で都会から田舎へ移住して初めて知った「スローライフとは程遠い田舎の現実」を、私の体験をもとにお話しします。
憧れの田舎暮らし!「時間のんびり」は完全な勘違いだった!?
最愛の妻エムの実家という安心感から、50歳にして田舎暮らしを決断した私(エス)ですが……。
前回の記事では田舎暮らしのカルチャーショックをお伝えしましたが、今回はもう少しその「リアル」を深掘りしていこうと思います。
みなさんは「田舎暮らし」に憧れたこと、ありませんか?
若い頃はキラキラした都会が楽しかったけれど、歳を重ね、仕事や人間関係に疲れ果てていた頃……。
「あぁ~もう嫌だ!なんで毎日こんな嫌な思いをしなきゃいけないんだよ!」と不満を爆発させては、「はぁ~、田舎でのんびり暮らしたいなぁ……」と現実逃避していたものです。
「田舎暮らし = 時間がゆったり流れるのんびり生活」
みなさんも、どこかでそう思っていませんか?
私は100%そう信じ切っていました。本気でそう思っていたのです。
結婚してからエムの実家へ行くたび、ごちゃごちゃした都市高速の渋滞を抜け、車が減って緑が増え、トンネルを抜けた瞬間に広がる青い海……。
「あぁ〜癒やされる〜」とため息をついていたあの時間。
あれが、すべての勘違いの始まりでした。
50歳になって実際に移住してみて、はっきり分かりました。
少なくとも、私が暮らしている地域の人たちは全然のんびりしていない!

あ、誤解しないでくださいね?
私自身が忙しいわけじゃないんです。
相変わらず無職でフラフラ暇していますので。
そうじゃなくて……私の周りにいる地元の人たちを見ていると、仕事だけでも大変なのに、その前後に田んぼや畑、地域の用事まで山ほど抱えていて、都会で働いていた頃の私よりよっぽど忙しそうに見えるんです。
まず驚いたのが、田舎では「家」だけじゃなくて「受け継いで管理しているものの量」が尋常じゃないということ。
昔からの家はもちろん、畑、裏山、田んぼ、お墓まで。
もちろん、誰が何を相続するかは家庭によって違います。
でも我が家の周辺を見ていると、代々受け継いできた土地や家を守っている人が本当に多い。
都会にいた頃の私は「家を相続する」と聞けば建物ひとつくらいの感覚でした。
ところがこちらでは、
「家があります。畑もあります。山もあります。田んぼもあります。お墓もよろしく!」
みたいな世界。
セット内容、多すぎません?
「いやいやエスさん、それ地元の人の話でしょ?移住者には関係なくない?」と思うじゃないですか。
ところが我が家の場合、大ありでした。
だって、妻の実家へ移住したんですから。
完全にセットの中へ飛び込んでしまいました。
そして、働く人を見ていて大変そうだと感じるのが通勤です。
近所に自分の希望する職場があればいいですが、我が家の場合はそう簡単ではありません。
実際、エムの通勤は片道約40km。
距離も時間もそれなりにかかります。
仕事をして、長い距離を運転して帰ってきたら、もう夕方か夜。
都会時代なら仕事帰りに「ちょっと買い物して帰ろう」でしたが、こちらでは移動そのものが一仕事です。
そんな生活を毎日続けながら、さらに家や土地の管理までやっているんだから、地元の人たちは本当にタフだと思います。
休日は作業でギチギチ!町内会・田んぼ・地域行事のリアル
「じゃあ休日にのんびりすればいいじゃん!」と思いますよね?
ところが、ここからが私の想像していたスローライフと違いました。
我が家が暮らしている地域では、町内会と日常生活の距離がかなり近いです。
移住した私たちも、地域で暮らしていくことを考えて町内会へ加入しました。
そして、この町内会。
イベント……という名の「やること」が結構あります。
町内会の下にある「〇〇組」の寄合が年2回、全体が集まる総会が年1回。
それ以外にも必要に応じて集まりがあります。
さらに、一定期間ごとに回ってくる役員。
幸い我が家は、私が来る前に義父が役員を務めてくれていたので、今のところ私は免れています。
義父さん、本当にありがとうございます。
でも役員さんを見ていると大変です。
回覧板の準備をしたり、地域の要望をまとめたり、道路や設備について役所へ相談に行ったり。
寄合では、いろんな意見も出ます。
私なら一回で心が折れそうです。
そして極めつけは、地域総出の作業。
私の地域では、年に何度か「町内一斉の草刈り・清掃」があります。

イベントは町内会だけにとどまりません。
我が家はお寺の檀家にもなっているので、お寺やお墓に関係する集まりや掃除もあります。
さらに森林組合にも関わっているので、山関係の作業が入ることもあります。
こちらは日当が出ることもあるので、まだ少し救われます。
そして、もし田んぼまで本格的にやるとなれば、さらに忙しくなります。
エムの実家の田んぼでは、川から水を引いていた時期があり、シーズン中には他の持ち主と協力して、早朝に水路やポンプの状態を確認する作業がありました。
朝5時。
まだ寝ていたい時間です。
そこで水の管理をして、家へ戻り、仕事へ行く。
しかも田んぼ周りの草刈りまで付いてきます。
これのどこがスローライフなんだ。

さらに、この地域ではご近所で不幸があった時、訃報を知らせる放送が流れることがあります。
地域の付き合いによっては、お通夜へ参列することもあります。
夕方になると、ピシッと喪服を着た近所のおばあちゃんが軽トラックを走らせて出かけていく。
あの姿はなぜか妙に格好いい。
軽トラと喪服の組み合わせなのに、異様に様になっているんですよね。
結論!近所の目と雑草との戦いに終わりはない
そして暖かい季節になると、どこの家もとにかく草刈りです。
田んぼ、畑、広い庭。
週末になると、あちらこちらから刈払機の「ブーーーン」という音が聞こえてきます。
「草なんて放っておけばいいじゃん!」
都会にいた頃の私なら、普通にそう思っていました。
でも実際には、草が増えすぎれば虫も増えるし、隣の土地へ伸びていくこともある。
そして何より、私は勝手に「あそこの家、草ボーボーだなって思われてないか?」と気にしてしまう。
たぶん誰もそこまで私の庭を見ていないんでしょうけどね。
でも一度気になったら、草刈り機を持って出動です。
もしこれから田舎暮らしを考えている方がいるなら、私からひとつだけ言いたいことがあります。
土地は広ければ広いほど幸せ、とは限りません。
広ければ、それだけ管理する場所も増えます。
庭、畑、山、田んぼ。
若いうちは楽しめても、歳をとった時に同じように管理できるのか。
ここは移住前に考えておいた方がいいと、実際に暮らして感じています。
町内会との距離感や、地域の共同作業がどれくらいあるのかも確認しておくと安心です。
人付き合いや土地管理をなるべく少なくしたいなら、管理された住宅地や別荘地なども、選択肢の一つになるかもしれません。
「マヨネーズを買いに行くのに往復40分」「病院へ行くにも車が必要」。
そこへ草刈り、地域の用事、家や土地の管理まで加わります。
田舎暮らし=何もしないでのんびり。
少なくとも、私が移住して見た現実はそんな単純なものではありませんでした。
まあ私は相変わらず無職なので、地元の皆さんが忙しく働いている横でフラフラしていますけどね。
一番スローライフしているの、結局俺じゃないか。
都会育ちの私(エス)が、妻の実家へ移住して驚いたエピソードは他の記事にも書いています。
以上、田舎の皆さんを横目に今日ものんびりしているエスからの報告でした!
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【田舎暮らしのリアル⑨】ウグイスの鳴き声がうるさい!?田舎で知った意外な「自然騒音」
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